相続人申告登記
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◆ポイント
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(1) 相続人申告登記制度が設けられた背景
相続登記の申請義務化に伴い、原則として、相続開始の日から3年以内に相続登記の申請をしなければならず、正当な理由なく申請義務に違反した場合は、10万円以下の過料の適用対象となることになりました。
しかしながら、相続登記の申請を行うには、相続人全員の協力が必要で、必ずしもすぐにできるとは限りません。遺産分割の話し合いがまとまらなかったり、疎遠な相続人がいてそもそも遺産分割の話し合いができなかったりなど、3年の申請期限に間に合わないこともあるでしょう。
そこで、相続人が申請義務を簡易に履行することができるようにと新たに設けられたのが相続人申告登記です。
(2) どのような登記?
相続人申告登記とは、登記官に対し、「この不動産の所有者は亡くなりました。相続人は私です。」と申し出る手続です。
この申し出により、相続開始年月日、申出があった相続人住所・氏名が登記記録に付記されます。
(3) 申出の効果
相続人申告登記の申出をした相続人は、相続登記の申請義務を履行したものとみなされます。
申請期限内に相続登記の申請ができない事情がある場合でも、この申出をすることによって申請義務を履行したものとみなされ、過料を回避することができるのです。
なお、相続登記の申請義務を履行したものとみなされるのは、申出をした相続人のみです。
相続人全員が義務を履行したとみなされるためには、相続人全員がそれぞれ申出をする必要があります(相続人全員の連名でまとめて申出をすることもできます)。
(4) 正式な相続登記ではない
後に比較して説明いたしますが、相続人申告登記は、正式な相続登記ではありません。
相続登記の申請ができない事情がある場合の代わりとなる一時的な手段です。
相続人申告登記をしても、不動産の名義は被相続人のままですので、不動産を売却したり、不動産を担保にお金を借りたりすることはできません。
不動産を活用するためには、正式に相続登記をする必要があります。
(5) 遺産分割が成立したら?
相続人申告登記をした後、遺産分割が成立した場合は、その成立した日から3年以内に相続登記の申請をする必要があります。
一度相続人申告登記の申出により過料を回避しても、その後遺産分割が成立した場合には、正式に相続登記の申請をしなければならず、正当な理由なくその期限内に相続登記の申請をしないと過料の適用対象となりますのでご注意ください。
相続登記と相続人申告登記の違いは下表のとおりです。
| 相続登記 | 相続人申告登記 | |
| 手続効果 | 新所有者が公示され、所有権の取得を第三者に対抗できる | 相続登記の申請義務を履行したものとみなされ、過料を回避できる(ただし、申出をした相続人のみ) |
| 手続要件 | 相続人全員の合意 |
相続人単独で手続き可 他の相続人の協力は一切不要 |
| 主な必要書類 |
・被相続人の出生から死亡までの戸籍 ・相続人全員の戸籍・遺産分割協議書・印鑑証明書 |
被相続人の死亡の事実と申出人が相続人であることが分かる最低限の戸籍のみ |
| 登録免許税 | 固定資産評価額の0.4% | 非課税(無料) |
| 不動産の名義 | 新所有者(相続人) | 被相続人のまま |
| 不動産の活用 | 売買・担保権の設定可 | 売買・担保権の設定不可 |
繰り返しになりますが、相続人申告登記はあくまで相続登記の申請ができない事情がある場合に代わりとなる一時的な手段です。
この表からも分かるとおり、相続登記が終わらない限り、名義は被相続人のままですし、不動産を売却したり不動産を担保にお金を借りたりすることはできません。
相続人申告登記のメリットデメリットは下表のとおりです。
| メリット | デメリット |
| ① 過料の回避 | ① 二度手間になる |
| ② 手続きが簡易 | ② 不動産の活用不可 |
| ③ 非課税(無料) | ③ 個人情報の公示リスク |
(1) メリット
① 過料の回避
相続登記の申請ができない事情がある場合でも、相続開始の日から3年以内に相続人申告登記の申出をすることで、確実に過料を回避することができます。
② 手続が簡易
正式な相続登記の申請をするには、相続人全員の協力が必要ですが、相続人申告登記の申出は、他の相続人の協力を必要とせず、相続人単独で手続きできます。
遺産分割の話し合いがなかなかまとまらなかったり、疎遠な相続人がいてそもそも遺産分割の話し合いができなかったりする場合でも、自身の判断のみで手続きを済ませ、過料を回避することができます。
なお、相続登記の申請義務を履行したものとみなされるのは、申出をした相続人のみです。たとえば、相続人A、B、C、のうち、Aのみが申出をした場合、B、Cについては依然として申請義務を履行していない状態のままになります。相続人全員が義務を履行したとみなされるためには、相続人全員がそれぞれ申出をする必要があります(相続人全員の連名でまとめて申出をすることもできます)。
また、正式な相続登記の申請に比べ、必要書類が大幅に少なくなっております。他の相続人の戸籍や印鑑証明書を必要としません。
③ 非課税
正式な相続登記の申請の際は、登録免許税(固定資産評価額の0.4%)を納める必要がありますが、相続人申告登記の申出は非課税(無料)です。
相続人申告登記の申出をし、後に相続登記の申請をしても、二重に課税されることはありません。
(2) デメリット
① 二度手間になる
相続人申告登記は、相続登記の申請ができない事情がある場合の代わりとなる一時的な手段です。
後に、遺産分割が成立した場合は、その成立の日から3年以内に相続登記の申請をする必要があります。
② 不動産の活用不可
相続人申告登記をしても、名義は被相続人のままです。
したがって、不動産を売却したり不動産を担保にお金を借りたりすることはできません。
③ 個人情報の公示リスク
相続人申告登記をすると、不動産の登記記録に申出をした相続人の住所・氏名が記録されます。
登記事項証明書は、手数料を支払えば誰でも取得できるため、不動産業者から営業(訪問・ダイレクトメールなど)を受ける可能性があります。
相続開始の日から3年以内に、遺産分割の話し合いをまとめ、相続登記の申請をすることが見込めるのであれば、そこを目指して手続きを進めることが最も効率的です。
反対に、遺産分割の話し合いがなかなかまとまりそうにない、疎遠な相続人がいてそもそも遺産分割の話し合いができないといった場合には、過料の回避手段として、相続人申告登記の利用を検討してもよいでしょう。
標準的な必要書類は、以下のとおりです。事案によっては、他の書類が必要となる場合があります。
A 被相続人(不動産の所有権登記名義人でお亡くなりになった方)に関する書類
- 死亡の記載のある戸籍(除籍、改製原戸籍を含む)謄本
- 最後の住所を証する書面(戸籍(除籍、改製原戸籍を含む)の附票又は住民票の除票(本籍の記載のあるもの))
B 申出をする相続人に関する書類
- 現在の戸籍謄本(※)
- 住民票 又は 現在の戸籍の附票
※ 申出人が親や兄弟姉妹の場合、先順位の相続人がいないことが分かる戸籍謄本等が必要になります。
当事務所にご依頼いただいた場合の手続の流れは、概ね以下のとおりです。
(1) ご相談、お見積もり
ご相談をご希望のお客様は、事前に電話又はお問い合わせフォームよりご予約をお願いいたします。
初回のご相談(90分まで)及びお見積もりは無料です。
■ ご相談の際にお持ちいただきたい書類
手続の対象となる不動産を特定できる資料(固定資産税の納税通知書、登記済証など)をお持ちください。
また、上記「5.必要書類」を参考に、お手元にある書類があればそれをお持ちください。何もお持ちいただかなくてもご相談には差し支えありません。
(2) 必要書類の準備・収集
上記「5.必要書類」を参考に、必要書類をご準備ください。
手続に必要な戸籍、住民票等は、当事務所が代わりにお取り寄せすることもできます。ご遠慮なくお申し付けください。
(3) 申出手続書類へのご署名ご捺印等
司法書士が作成する委任状にご署名ご捺印等をしていただきます。
(4) 法務局へ申出手続
管轄の法務局へ申出手続きをいたします。申出手続は、すべて司法書士が代理して行いますので、お客様に法務局に足を運んでいただくことはありません。
(5) 登記完了書類のお渡し
法務局や申請時期により異なりますが、概ね1週間前後で登記が完了します。登記が完了しましたら、法務局から交付される登記完了書類(登記完了通知、登記事項証明書)をお渡しいたします。
手続に必要となる費用は、以下のとおりです。
(1) 実費(主なもの)
- 戸籍謄本 1通450円
- 除籍・改製原戸籍謄本 1通750円
- 住民票・戸籍の附票 1通300円前後(市町村によって異なる)
- 不動産の登記事項証明書 1通490円~(枚数や請求方法によって異なる)
(2) 司法書士報酬(金額は全て税込表示)
27,500円~
相続人申告登記に関する報酬については、上記金額を基準(最低額)とし、ご依頼の内容(不動産の数、申出人の数など)に応じ、加算させていただいております。
【上記司法書士報酬に含まれない業務の報酬】
- 戸籍謄本、住民票等の交付請求 1通1,100円
- 登記事項証明書の交付請求 1通1,100円(ただし、登記完了後に取得する登記事項証明書は、各不動産各1通までは無料)
当事務所では、ご依頼をいただく前に必ずお見積もりをいたしております。ご依頼するかどうかはお見積もりを確認してからお決めください。
相続人申告登記のことで分からないことやご相談事がございましたら、ご遠慮なくお電話又はお問い合わせフォームよりご連絡ください。
費用のこと、必要書類のこと、手続にかかる期間のこと、どんなことでも結構です。「こんなこと聞いても大丈夫かな?」と思うようなこともご遠慮なくお問い合わせください。
◆ お問い合わせ、ご相談のご予約方法
≪お電話でのお問い合わせ、ご相談のご予約≫
■ 電話番号 093-777-1534
■ 営業時間 午前9時から午後5時まで(土日祝日、お盆、年末年始を除く)
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