遺産分割協議書の作成

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遺産をどのように分けるか、相続人全員で話し合うことを遺産分割協議といい、この協議により合意した内容を書面にしたものを遺産分割協議書といいます。

 

ただし、相続人が①未成年、②行方不明、③認知症・精神障害・知的障害などの場合は、その相続人に代わり遺産分割協議に参加する人を立てるため、それぞれ①特別代理人の選任、②不在者財産管理人の選任、③成年後見の申立が必要になることがあります。

 

遺産分割協議書には、相続人全員が署名し、実印で押印します。特別代理人等が選任されている場合は、その特別代理人等が署名押印します。

 

相続登記や預貯金、株式等の相続手続きをするにあたって、法定相続分とは異なる分け方をする場合は、法務局や金融機関に対し、遺産分割協議書(印鑑証明書を添付して)を提出する必要があります。

 

遺産分割協議書に不備があると、その程度によっては作成し直し、再度相続人全員に署名押印してもらうことにもなりかねませんので、遺産分割協議書は専門家に作成してもらうことをおススメいたします。

 

司法書士は、相続登記や預貯金、株式等の相続手続きのご依頼をいただいた場合は、遺産分割協議書の作成もできます。当事務所へのご依頼もそのほとんどが、遺産分割協議書の作成もあわせてのご依頼となっております。 

 

 

以下、遺産分割協議書の作成に至るまでの大まかな手順についてご案内いたします。

 

 

 

≪目次≫

 

1.遺産分割協議の手順

1-1.相続人の範囲の確定

1ー2.法定相続分の確認

1ー3.遺産の範囲・評価額の確定

1ー4.具体的相続分の確定(特別受益と寄与分)

1ー5.遺産分割方法の決定

1ー6.遺産分割協議書の作成

2.費用

3.お問い合わせ、ご相談のご予約について

 

 

 

1.遺産分割協議の手順

 

1ー1.相続人の範囲の確定

 

遺産分割協議は、相続人全員により行う必要があるため、まずは、誰が協議に参加すべき相続人であるかを確定させます。

誰が相続人であるかは、戸籍の調査によって行います。

 

具体的には、被相続人の出生から死亡までの戸籍を調査し、配偶者と第1順位の相続人(子、孫など)がいないかを確認します。

第1順位の相続人がいない場合は、第2順位の相続人である被相続人の直系尊属(父母、祖父母など)がいないかを確認します。

第2順位の相続人もいなければ、第3順位の相続人である被相続人の兄弟姉妹や甥姪がいないかを確認します。

 

戸籍の調査の結果、相続人に①未成年者、②行方不明者、③認知症・精神障害・知的障害のある者などがいる場合は、その相続人に代わり遺産分割協議に参加する人を立てるため、それぞれ①特別代理人の選任、②不在者財産管理人の選任、③成年後見の申立が必要になることがあります。

 

 

相続に関する基礎知識のページより抜粋

 

2.相続人の範囲

 

誰が相続人になるかは、法律の規定によって決められています。

相続人は、血族相続人配偶者相続人の2つに分けられます。

 

(1) 血族相続人

 

血族相続人は、第1順位が「被相続人の子又はその代襲者(孫、ひ孫など)」第2順位が「被相続人の直系尊属(父母、祖父母など)」第3順位が「被相続人の兄弟姉妹又はその代襲者(甥姪)」となっており、血相続人間においては、最優先順位の相続人のみが相続権を有します。例えば、①被相続人に子がいれば、子が相続人となり、直系尊属や兄弟姉妹は相続人になれません。②子がおらず、直系尊属がいるときは、兄弟姉妹は相続人になれません。

 

① 第1順位=「被相続人の子又はその代襲者(孫、ひ孫など)」

被相続人の子が第1順位の相続人となります。

被相続人の子が、相続の開始以前に死亡しているときは、その者の子(被相続人の孫)がその者に代わって相続人(代襲相続人)となります。これを代襲相続といいます。また、当該代襲相続人(被相続人の孫)も相続の開始以前に死亡しているときは、その者の子(被相続人のひ孫)が相続人となります。これを再代襲といいます。

 

② 第2順位=「被相続人の直系尊属(父母、祖父母など)」

被相続人の直系尊属は、第1順位の相続人となるべき者がいない場合に相続人となります。直系尊属の中では、親等の近い者が優先的に相続人となります。例えば、①父母及び祖父母が共に生存しているときは、父母が相続人となります。②父が死亡し、母が生存しているときは、父の父母(被相続人の祖父母)が生存していても、母のみが相続人となります。直系尊属には、第1順位の子のような代襲相続は認められていません。

 

③ 第3順位=「被相続人の兄弟姉妹又はその代襲者(甥姪)」

被相続人の兄弟姉妹は、第1順位及び第2順位の相続人となるべき者がいない場合に相続人となります。

兄弟姉妹の場合も、第1順位の子の場合と同様に、代襲相続が認められています。すなわち、被相続人の兄弟姉妹が、相続の開始以前に死亡しているときは、その者の子(被相続人の甥姪)がその者に代わって相続人となります。しかし、子の場合と異なり、再代襲は認められておらず、被相続人の甥姪の子は、相続人となりません。

 

(2) 配偶者相続人

 

被相続人の配偶者は、常に相続人となり、血族相続人があるときは、それらの者と同順位の相続人(共同相続人)となります。

 

 

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1ー2.法定相続分の確認

 

誰が遺産分割協議に参加すべき相続人であるかが確定したら、その相続人らの法定相続分を確認します。

ただし、この法定相続分が必ずしも最終的な相続分となるわけではなく、相続分の放棄や譲渡によって変動することもありますし、特別受益や寄与分を考慮して各相続人の具体的な相続分を算出することもあります。

 

 

法定相続人 法定相続分
配偶者と子 配偶者2分の1、子2分の1
配偶者と直系尊属 配偶者3分の2、直系尊属3分の1
配偶者と兄弟姉妹 配偶者4分の3、兄弟姉妹4分の1

 

 

相続に関する基礎知識のページより抜粋

 

 3.相続分

 

相続が開始すると、遺産分割によって最終的に分配されるまでは、被相続人の財産や債務は全て、いったん全相続人の共有になります。

被相続人の有していた財産や債務を相続財産といい、相続財産を共有する相続人全体を共同相続人といいます。

各相続人の相続財産に対する持分、すなわち、被相続人の財産や債務を受け継ぐ割合を相続分といいます。

相続分は、被相続人が生前に遺言で決めておくことができます。これを指定相続分といいます。遺言による相続分の指定がない場合は、相続分は、法律の規定によって決められています。これを法定相続分といいます。

 

(1) 法定相続分

 

法定相続分は、誰が相続人となるかによって異なります。

 

法定相続人 法定相続分
配偶者と子 配偶者2分の1、子2分の1
配偶者と直系尊属 配偶者3分の2、直系尊属3分の1
配偶者と兄弟姉妹 配偶者4分の3、兄弟姉妹4分の1

 

 

① 配偶者と子が相続人の場合

配偶者の相続分及び子の相続分は、各2分の1となります。

子が数人あるときは、2分の1の相続分を均等に分けます。

 

② 配偶者と直系尊属が相続人の場合

配偶者の相続分が3分の2、直系尊属の相続分が3分の1となります。

直系尊属が数人あるときは、3分の1の相続分を均等に分けます。 

 

③ 配偶者と兄弟姉妹が相続人の場合

配偶者の相続分が4分の3、兄弟姉妹の相続分が4分の1となります。

兄弟姉妹が数人あるときは、4分の1の相続分を均等に分けます。ただし、兄弟姉妹の中に、父母の双方を同じくする兄弟姉妹(全血兄弟姉妹)と父母の一方を同じくする兄弟姉妹(半血兄弟姉妹)があるときは、半血兄弟姉妹の相続分は、全血兄弟姉妹の相続分の2分の1となります。

 

④ 代襲相続の場合

被相続人の孫や甥姪が代襲相続人として代襲相続する場合の相続分は、被代襲者(被相続人の子や兄弟姉妹)が受けるはずであった相続分と同じになります。

代襲相続人が数人あるときは、被代襲者が受けるはずであった相続分を均等に分けます。

 

 

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1ー3.遺産の範囲・評価額の確定

 

遺産分割協議をするにあたり、分割の対象とする財産とその評価額を確定させる必要があります。

 

(1)遺産の範囲

 

遺産分割の対象となる財産は、主に次の財産です。

 

  1. 不動産
  2. 現金、預貯金
  3. 有価証券(株式、国債、社債、投資信託など)
  4. 動産(貴金属、着物、家財道具など)

 

なお、遺産分割は、プラスの財産について分割を行うものであり、金銭債務(借金や保証債務など)は遺産分割の対象とはなりません。金銭債務は、相続により当然に各相続人に法定相続分の割合で承継されるためです。

したがって、相続人間で、金銭債務は特定の相続人が負担する旨の合意をしたとしても、債権者の承諾がない限り、他の相続人は債務の負担を免れることはできません。

ただし、その合意も相続人間においては有効ですので、債務を負担しないとした相続人が債権者へ弁済した場合は、債務を負担するとした相続人に対し、求償することができます。

 

 

(2)遺産の評価

 

遺産の評価とは、遺産に属する各財産の客観的な価値、すなわち「時価」を確認することです。遺産分割は、遺産を各相続人の相続分に応じて分配する手続きですので、その前提として、各遺産を評価する必要があります。

そして、相続開始の時から遺産分割の時まで、遺産の時価が変動することもありますので、遺産の評価をいつの時点を基準とするかを決める必要があります。

実務では、遺産分割時(現実に分割する時点)を基準としていることが多いようです。ただし、特別受益や寄与分を考慮する必要がある場合は、みなし相続財産を割り出すために、相続開始時の評価も必要になります。

 

 

(例)

遺産:土地(???万円)と現金1,000万円

相続人:甲と乙(相続分2分の1ずつ)

希望:甲は土地、乙は現金を希望

 

 

上記の(例)の場合において、甲と乙が法定相続分のことを問題としないのであれば、土地を評価せずとも、甲が土地、乙が現金を取得するとする遺産分割をすることができます。

 

しかしながら、甲と乙がきっちりと法定相続分で分けたいと考えるならば、土地を評価し、遺産の総額を割り出す必要があります。

 

そして、土地を評価した結果、土地の評価が1,000万円だった場合は、遺産の総額が2,000万円となりますので、甲と乙の法定相続分は、それぞれ1,000万円となります。

したがって、甲と乙は、希望通り、甲が土地(1,000万円)、乙が現金(1,000万円)を取得するとすることで、法定相続分どおりの分割となります。

 

一方で、土地の評価が2,000万円だった場合は、遺産の総額が3,000万円となりますので、甲と乙の法定相続分は、それぞれ1,500万円となります。

したがって、希望通りに甲が土地(2,000万円)、乙が現金(1,000万円)を取得するとすると、甲が500万円多く取得し、乙の取得分が500万円少なくなってしまいます。

このような場合は、甲が土地(2,000万円)を取得する代わりに、その代償金として、乙に対し、差額分の500万円を支払うことで解決を図る方法があります。これを代償分割といいます。

 

以上のようなことから、遺産を現物分割する場合には、遺産の総額を割り出したり、代償金を算出するために、各遺産を評価する必要があるのです。

 

一方で、遺産を金銭に換価してする「換価分割」の場合は、換価金を各相続人の相続分に応じて分配するので、事前に評価する意味はなく、評価は不要です。

また、遺産を法定相続分で共有する「共有分割」の場合は、そもそも遺産を相続分に応じて分配するわけではありませんので、これについても遺産を評価する意味はなく、評価は不要となります。

ただし、換価分割又は共有分割をする場合においても、特別受益や寄与分を考慮する必要がある場合は、みなし相続財産を割り出すために、評価が必要になります。

 

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1ー4.具体的相続分の確定(特別受益と寄与分)

 

相続人の中に、特別受益者や寄与者がいる場合は、法定相続分どおりに分けるのでは公平とは言えませんので、特別受益や寄与分を考慮して各相続人の法定相続分を修正する必要があります。

 

 

相続に関する基礎知識のページより抜粋

 

(2) 特別受益者の相続分

 

生前に被相続人から贈与を受けたり、遺言によって財産を譲り受けた相続人を特別受益者といいます。

相続人の中に特別受益者がいる場合、民法は、相続人間の公平を図るために、この特別受益を相続分の前渡しとみて、①被相続人が相続開始の時に有していた財産の価額に特別受益(贈与)の価額を加えたものを相続財産とみなし(みなし相続財産)、②これに指定又は法定相続分の割合を乗じて各相続人の相続分(本来の相続分)を算出し、③この本来の相続分から特別受益となる遺贈又は贈与の価額を控除した残額をもって特別受益者の相続分(具体的相続分)とすることとしています。これを特別受益の持戻しといいます。ただし、被相続人が特別受益の持戻しの免除の意思表示をしたときは、特別受益は相続財産に算入されません(遺留分を侵害する場合を除く)。

なお、特別受益者は、特別受益にあたる遺贈又は贈与の価額が、本来の相続分の価額に等しいか、又はこれを超えるときは、相続分を受けることができません。

 

【特別受益者の具体的相続分の算出方法】

 ① みなし相続財産の価額=相続開始時の相続財産の価額+特別受益者が受けた贈与の価額

 ② 本来の相続分額=①のみなし相続財産の価額×指定又は法定相続分の割合

 ③ 特別受益者の具体的相続分=②の本来の相続分額-特別受益者のが受けた遺贈又は贈与の価額

 

 

(計算例1)

 

遺産:1,200万円

相続人と法定相続分:妻A(1/2)、子B(1/4)、子C(1/4)

相続人Bへの特別受益:300万円

 

① みなし相続財産

 

1,200万円(遺産)+300万円(特別受益)=1,500万円(みなし相続財産)

 

② 本来の相続分

 

A:1,500万円(みなし相続財産)×1/2=750万円

B:1,500万円(みなし相続財産)×1/4=375万円

C:1,500万円(みなし相続財産)×1/4=375万円

 

③ 特別受益者の具体的相続分

 

B:375万円(本来の相続分)-300万円(特別受益)=75万円

 

 

◎ A、B、Cのそれぞれの遺産の取得分は、A:750万円、B:75万円、C:375万円となります。

 

 

(計算例2)

 

遺産:1,200万円

相続人と法定相続分:妻A(1/2)、子B(1/4)、子C(1/4)

相続人Bへの特別受益:600万円

 

① みなし相続財産

 

1,200万円(遺産)+600万円(特別受益)=1,800万円(みなし相続財産)

 

② 本来の相続分

 

A:1,800万円(みなし相続財産)×1/2=900万円

B:1,800万円(みなし相続財産)×1/4=450万円

C:1,800万円(みなし相続財産)×1/4=450万円

 

③ 特別受益者の具体的相続分

 

B:450万円(本来の相続分)-600万円(特別受益)=-150万円(※)

 

※ Bはもらいすぎなので遺産を取得することはできませんが、もらいすぎた分を返還する必要はありません。

 

④ 特別受益者の具体的相続分がマイナスになったとき

 

遺産が1,200万円であるため、本来の相続分(Aが900万円、Cが450万円)どおりに取得しようとすると、遺産が150万円不足します。

そこで、次のように、特別受益者Bを除く相続人(AとC)の相続分の比率に応じて分配します。

 

A(900万円):C(450万円)=2:1

 

A:1,200万円(遺産)×2/3=800万円

C:1,200万円(遺産)×1/3=400万円

 

 

◎ A、B、Cのそれぞれの遺産の取得分は、A:800万円、B:0円、C:400万円となります。

 

(3) 寄与分

 

他方で、相続財産の増加に貢献した相続人がいる場合は、この増加分(これを寄与分といいます。)は、相続財産に含めない扱いがなされます。

具体的には、寄与者の相続分は、①被相続人の相続開始の時に有していた財産の価額から寄与分の価額を控除したものを相続財産とみなし(みなし相続財産)、②これに指定又は法定相続分の割合を乗じて各相続人の相続分(本来の相続分)を算出し、③この本来の相続分に寄与分を加えたものが具体的相続分ということになります。

 

【寄与者の具体的相続分の算出方法】

 ① みなし相続財産の価額=相続開始時の相続財産の価額-寄与分の価額

 ② 本来の相続分額=①のみなし相続財産の価額×指定又は法定相続分の割合

 ③ 寄与者の具体的相続分=②の本来の相続分額+寄与分の価額

 

 

(計算例)

 

遺産:1,500万円

相続人と法定相続分:妻A(1/2)、子B(1/4)、子C(1/4)

相続人Bの寄与分:300万円

 

① みなし相続財産

 

1,500万円(遺産)-300万円(寄与分)=1,200万円(みなし相続財産)

 

② 本来の相続分

 

A:1,200万円(みなし相続財産)×1/2=600万円

B:1,200万円(みなし相続財産)×1/4=300万円

C:1,200万円(みなし相続財産)×1/4=300万円

 

③ 寄与者の具体的相続分

 

B:300万円(本来の相続分)+300万円(寄与分)=600万円

 

 

 

◎ A、B、Cのそれぞれの遺産の取得分は、A:600万円、B:600万円、C:300万円となります。

 

 

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1ー5.遺産分割方法の決定

 

各相続人の具体的相続分が確定したら、どのように遺産を分割するか決定します。

遺産分割の方法には、現物分割、代償分割、換価分割、共有分割の4種類があります。

 

 

相続に関する基礎知識のページより抜粋

 

4.遺産分割

 

相続財産に対する各相続人の共有持分=相続分は、あくまでも相続財産全体に対する抽象的な割合でしかありません。

相続が開始すると、相続財産は全て、いったん全相続人の共有となりますので、この相続財産を具体的にどのように分配するかを決める必要があります。 これを遺産分割といいます。

 

(1) 遺産分割の方法 

 

遺産分割の方法には、①遺言による指定分割、②共同相続人全員の合意による協議分割、③家庭裁判所の調停又は審判による分割があります。遺産分割は、まず、①被相続人が遺言によって遺産分割の方法を指定した場合には、その指定に従って遺産分割を行い、②遺言による指定がない場合には、共同相続人全員の協議により遺産を分割します。そして、③その協議が調わないとき、又は協議をすることができないときは、家庭裁判所に遺産分割を請求することができます。

 

(2) 遺産分割の態様

 

遺産分割の態様(具体的な分割方法)としては、①現物分割、②代償分割、③換価分割、④共有分割の4つがあります。 

 

① 現物分割

現物分割とは、例えば、「不動産はA、株式はB、預貯金はCが取得する。」といったように、まさに現物を分割する方法です。

遺産分割は、その性質上できる限り現物を相続人に受け継がせるのが望ましいとされており、現物分割は、遺産分割の原則的方法とされています。

 

② 代償分割

代償分割とは、例えば、「不動産はAが取得する。Aはその取得の代償として、Bに対し、金500万円を支払う。」といったように、一部の相続人に法定相続分を超える額の財産を取得させた上、他の相続人に対して債務を負担させる方法です。

 

③ 換価分割

換価分割とは、遺産を売却・換価して、その代金を分配する方法です。

 

④ 共有分割

共有分割とは、文字通り、遺産を法定相続分により共有取得する方法です。

 

 

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1ー6.遺産分割協議書の作成

 

遺産分割協議が調ったら、協議により合意した内容を記載した遺産分割協議書を作成します。

 

遺産分割協議書には、相続人全員が署名し、実印で押印します。

 

 

遺産分割協議書(例)

 

被相続人の表示

本籍 〇〇県〇〇市〇〇町1丁目2番

最後の住所 〇〇県〇〇市〇〇町1丁目2番3号

氏名 甲野太郎(昭和〇〇年〇〇月〇〇日出生、令和〇〇年〇〇月〇〇日死亡)

 

上記被相続人の死亡によって開始した相続について、共同相続人全員で遺産分割協議をした結果、以下のとおり遺産を分割し、取得することに合意した。

 

第1 相続人全員は、被相続人の遺産が別紙遺産目録に記載のとおりであることを確認する。

 

第2 相続人甲野一郎は、次の遺産を取得する。

 1 土地

   所在 〇〇市〇〇町1丁目

   地番 〇〇番〇〇

   地目 宅地

   地積 123.45㎡

 

 2 預貯金

   〇〇銀行〇〇支店 普通預金 口座番号1234567

 

~ 以下省略 ~

 

以上のとおり協議が成立したので、その証として本書を3通作成し、各相続人がそれぞれ署名押印し、各自1通を所持するものとする。

 

令和〇〇年〇〇月〇〇日

 

住所 〇〇県〇〇市〇〇町1丁目2番3号

氏名 甲野一郎 印

 

住所 〇〇県〇〇市〇〇町4丁目5番6号

 

氏名 甲野次郎 印

 

住所 〇〇県〇〇市〇〇町7丁目8番9号

 

氏名 甲野花子 印

 

遺産目録(略)

 

 

 

 

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2.費用

 

 

手続に必要となる費用は、以下のとおりです。

 

(1) 実費(主なもの)

 

遺産分割協議のため、遺産を評価する必要がある場合は、その評価をしてもらうための手数料等がかかります。

 

(例)

  • 不動産の査定
  • 銀行や証券会社の残高証明書 など

 

 

(2) 司法書士報酬(金額は全て税込表示)

 

33,000円~

 

遺産分割協議書の作成についての報酬は、上記金額を基準(最低額)とし、事案に応じ、加算させていただいております。ただし、遺産が不動産のみの遺産分割協議書の作成の報酬は、11,000円です。 

 

 

当事務所では、ご依頼をいただく前に必ずお見積もりをいたしております。ご依頼するかどうかはお見積もりを確認してからお決めください。 

 

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3.お問い合わせ、ご相談のご予約について

 

遺産分割協議書の作成のことで分からないことやご相談事がございましたら、ご遠慮なくお電話又はお問い合わせフォームよりご連絡ください。

費用のこと、必要書類のこと、手続にかかる期間のこと、どんなことでも結構です。「こんなこと聞いても大丈夫かな?」と思うようなこともご遠慮なくお問い合わせください。

 

◆ お問い合わせ、ご相談のご予約方法

 

≪お電話でのお問い合わせ、ご相談のご予約≫

 

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